B. キリストの救いについて【ア】

ア. 人の内に住んでいる罪の力から救われること

 

 多くの人々はよく尋ねます、「キリストがわたしのために死なれたことは、偉大な事であるのを知っています、またキリストの死のゆえに、わたしの過去の罪が赦されたことを知っています。しかし罪のカがまだわたしを捕らえて、絶えずわたしに罪を犯させようとしています、どうしたらよいのですか?」。歴史を通じ、昔から、人はこの内側の情欲と罪の性質という問題と戦ってきました。一面、人は善を行ないたいのですが、もう一面で、善を行なわせない強力なものがあるのを内に見いだします。現代の心理学と精神医学は、人の内にあるこの矛盾に気づいていましたがそれを説明することができませんでした。昔の中国人は、これを理性と欲望の戦いと呼んでいます。二千年前、使徒バウロは同じ問題を持っていました。彼はいつも善を行なうことを欲するのに、悪が自分と共にある、と言いました。そして罪を犯すのは、わたしではなく、内に邪悪な力、罪に駆り立てる力が働いて罪を犯させることを知っていました(ローマ7:15,17)。しかしながら、やがて彼は、イエスキリストの救う命が、自分を内住の罪の性質の力から救うことができるのを発見しました〈ローマ7:25,8:2)。

 

 

キリストの贖いと救い:アウトライン

(JGW日本福音書房 ロシアでの福音メッセージによる小冊子(5)キリストの贖いと救いより抜粋)